代表 平田 靖
住所 〒7372301 広島県江田島市能美町中町5000-20
TEL/FAX 0823-27-6588
E-mail info@hiratasuisan.com
天然(広島湾)由来のマガキシングルシード(種苗および半成貝)を生産し牡蠣生産者向けに販売しています。シングルシードとは,ホタテガイなどに付着しておらず,一粒ずつバラバラになった養殖用種苗(稚貝)のことです。カゴを用いて育成したシングルシードマガキは,深みがある殻の形状および身入りが揃い均一性の高い製品になります。販売サイズは殻高 1cmから最大8cm程度まで。価格はサイズおよび時期によりますが1個あたり10円から50円程度です。商品は発泡スチロールボックス詰め宅配便でのお届けになります。お問い合わせは本ページのお問い合わせフォームまたは電子メールでお願いします。
水産業(主に牡蠣養殖業)に関する調査,研究,技術指導業務を請負います。小型船舶を使用した現地調査,チャーターも承ります。これまで請け負った業務は,マガキ種苗生産技術指導,かき幼生調査支援,養殖かき生育および産卵状況調査,三倍体マガキ養殖追跡調査,採卵用マガキ親貝の提供およびかき養殖に関する講演などです。お問い合わせは本ページのお問い合わせフォームまたは電子メールでお願いします。
2023年1月より消費者の皆様にマガキシングルシードから育てた殻付牡蠣(加熱調理用)の販売を開始しました。販売サイズは平均80g,殻高 8cmから最大10cm程度です。価格は1個あたり50円から100円程度+消費税・送料です。商品は発泡スチロールボックス詰めクール宅配便でのお届けになります。今のところ出荷できる時期(12月から3月末くらい)および取扱量が限られています。まずは,お問い合わせは本ページのお問い合わせフォームまたは電子メールでお願いします。
平成3年度より広島県水産試験場に研究員として勤務。当初三倍体マガキ種苗生産技術開発チームに所属して以降,平成26年度末までかき関係の調査・研究・技術開発に従事しました。
この間,かき養殖産業を取り巻く様々な課題の解決に向け,現場への技術移転にも取り組んできました。しかし,戦後半世紀以上の長期間にわたり培われた大量生産方式を変えるのは難しく,当然リスクも伴うため技術移転は思うように進みませんでした。また,新規参入の難しさも業界が変わりにくい一因であると考えました。
そこで,新しいかき養殖のアイデアを実現し事業化するために,リスクを負う覚悟で自ら起業し新規参入することを決意,体が元気に動くうちにと早期退職した次第です。
広島県はご存知の通り今もなお全国1位のかき生産量を誇っています。恵まれた自然環境はもとより,この生産を支えているのは,生産者および流通・加工業の方々の長年にわたる創意工夫,努力です。
しかしながら,近年,かき養殖業界は解決の難しい様々な問題に直面しています。3つの側面から見てみましょう。
(1)漁場環境の変化:年変動はあるものの沖合の漁場から少しずつ牡蠣が太り難くなっています。つまり同じ漁場でも牡蠣が太るまでの期間が徐々に長くなってきているということです。
(2)社会環境の変化:他の一次産業と同じく労働力不足が深刻で,多くの養殖経営体が外国人労働力に依存しているのが現実です。
(3)経済環境の変化:消費者の食べ方が,家族で鍋料理の牡蠣を食べるといったものから「牡蠣小屋」や「オイスターバー」に象徴されるような食べ方に変化しています。
このような変化に対して,これまでの剝き身かき大量生産に最適化した経営体では柔軟に対応するのが難しい状況です。
前段の問題を回避するためには,大量生産でなく少量生産で,人手はかけずに,「殻付きかき」を生産という結論になりそうです。しかし,現在の剝き身生産に最適化された養殖方法で「殻付きかき」を生産するには,「バラシ」「選別」「付着物除去」および「カゴ入れ」などの工程が必要で,剝き身を生産する以上の手間がかかると言われています。
そこで,平田水産では稚貝の採取(採苗)方法から養殖方法を見直すことで,「殻付きかき」生産に最適化した新しい低コストの養殖方法の構築に取り組んでいます。
2017年,平田水産は新しい方法による最初の採苗を試みたが,一部の時期と海域を除いて広島湾の採苗は不調のまま期間が終了。1万個弱を確保。
2018年,7月の西日本豪雨の影響で広島湾周辺の陸域では深刻な土砂災害が多発。一方,広島湾のマガキ採苗は近年稀な幼生の生残りを示し多数の付着稚貝を確保できたが,中間育成の失敗により1万個弱に減少。
2019年,昨年の反省から中間育成方法を改良。約2万個の稚貝を確保。
2020年,中間育成方法を更に改良。約5万個の稚貝を確保(2021年1月見込み)。
なんとか海域でのシングルシード採苗の方法がまとまってきました。来年の目標は10万個の種苗確保です。
Yasushi Hirata